第2回 TOKYO BOWL みどころ 2015年12月6日(日)


日本大学(関東TOP8準優勝)-関西学院大学(関西Div.Ⅰ準優勝)
12月6日(日) 富士通スタジアム川崎 13:30キックオフ



赤と青の首都決戦

 東西カレッジを代表するライバル同士の首都決戦が遂に実現した。
 日本大学フェニックス(関東学生1部リーグTOP8/同率1位順列2位)と関西学院大学ファイターズ(関西学生リーグDiv.I/2位)。『赤と青』の対決は、日本カレッジフットボール界を象徴するライバル同士と言っても過言ではない。春季定期戦は隔年で関東での対戦が組まれているが、秋季公式ポストシーズンにおいて甲子園ボウル以外で両雄が対戦するのはこのTOKYO BOWLが初となる。

 甲子園ボウルでは過去28回対戦し、日大が16勝10敗2分と勝ち越しているが、2007年以降、近年4度の対戦は関学が4連勝している。今季の主力選手たちも出場していた2013、2014年の甲子園ボウル対決に連敗を喫した日大は、『打倒関学』のスローガンを掲げて春からチーム作りを行ってきた。関学との対戦が実現したTOKYO BOWLに、今季の取り組みの集大成を懸ける意気込みだ。

 一方、関学は1973~1977年以来の甲子園ボウル5連覇を逃したとはいえ、今季は攻守共に若手が多数主力を担ったチームだった。TOKYO BOWLが再起に挑む来季への最初のステップ、そして、4年生たちにとっては、全人格をかけて戦った生き様を示す最後の舞台となる。

 自他共に認めるライバル同士の一戦は、互いのプライドを懸けた、シーズンエンドにふさわしい熱戦となることは間違いなさそうだ。



日本大学フェニックス注目選手

関東屈指の得点力を誇るショットガン攻撃
 一試合平均45.7点と、関東学生TOP8でトップの得点力を発揮した攻撃。QBはエース番号10番を背負う西澤(4年)と、1年時に関東学生リーグMVP、2年時に甲子園ボウル敢闘賞を受賞した高橋(3年)の二枚看板。パスターゲットとなるレシーバー陣はリーグ戦44回捕球724ヤード12TDを稼ぎだしたWR西村(4年)がエース。日本代表候補で昨リーグ戦MVPのWR岩松(4年)がシーズン途中で負傷し戦列を離れたが、桑原、山本の2年生コンビ、リーグ最終の法政戦で活躍した吉野(1年)ら、若手が急成長を遂げている。CB田中(4年)、SF小池(3年)ら、学生界トップクラスの人材を揃える関学DB陣との攻防が、勝敗を分ける大きなポイントになりそうだ。

タレント力にあふれるLB/DB陣
 今季の日大守備はLB、DB陣に人材を揃えている。DE/OLBとしてパスラッシュに長ける趙(3年)は、来季のフェニックスを担う存在として今季から副将に抜擢された。LB岩本(4年)はサイズ、スピード共に一級品。主将CB井上(4年)を擁するDB陣は、関東トップの人材を揃えたユニットと言って過言ではない。井上と反対側を守るCB今井(4年)は元RBだが、チーム屈指のアスリート能力をポジション変更で開花させた。下水流(4年)、ビーディー(2年)のSFコンビは、共にリーグトップのシーズン5インターセプトを記録。下水流が絶妙のポジショニングで勝負するタイプなのに対し、ビーティーは長身と豊富な運動量が武器。ボールキャリアの戦意を削ぐ強烈なハードヒットも持ち味だ。個性豊かなランナーを揃える関学のラン攻撃と、長身大型選手が揃うレシーバー陣をいかに封じるかに注目だ。



関西学院大学ファイターズ注目選手

個性豊かなRB陣による多彩なラン
今季の関学攻撃はRBに分厚いデプスを形成することに成功した。RB野々垣(3年)は165センチと小兵ながら安定感のある走りでパワーバック橋本(3年)不在の序盤・中盤戦を支えた。高松(2年)はオープンプレーで力を発揮するスピード派。また横浜栄高出身の山口(1年)は、密集、オープンを問わずスピードで駆け抜けることができる逸材で、1年生ながら得点源の一人となっている。負傷で戦列を長く離れていた橋本もリーグ終盤から復帰。TOKYO BOWLでは、フィジカル・アスリートが揃う日大守備との対決が注目される。また、今季より、先発QBを担う伊豆(3年)にとって、LB、DBに人材を揃える日大守備との対戦は、課題とされていたパスの精度向上を証明する絶好の機会だ。WR陣はエース木下(4年)、長身の亀山(2年)、1年生ながら185センチの長身と抜群のスピードで先発出場している松井ら、大型選手を揃えている。

鉄壁の守備バック陣
主力選手のほとんどが下級生時から先発の守備は、各ユニット共に大きな穴がない。DLはベンチプレス170キロを支えるNG松本(3年)、小柄だがヒットが強い小川(4年)、今季急成長のDE柴田(2年)を筆頭に安田、大野、パングの3年生トリオ、藤木(2年)らも先発同等の実力で層が厚い。LB陣は守備リーダーの作道、2014年U19日本代表で中大附属高出身の山岸(3年)のコンビがエース格。DB陣は最もレベルが高い人材が集まっている。学生界のトップCB田中(4年)を筆頭に、立命館大戦でもインターセプトを記録したSF小池、岡本(共に3年)、1年時から先発のアスリートCB小椋(2年)と、学生界屈指の鉄壁ユニットだ。関東のトップWR西村を筆頭に、レベルが高い日大のパス攻撃との空中戦は、TOKYO BOWLの大きな見どころの一つになりそうだ。



HUDDLE MAGAZINE ハドルマガジン 上村弘文)