全米学生アメリカンフットボール オールスター戦

HULA BOWL 2003



 「Hula Bowl(フラボウル)」とは、毎年アメリカのハワイ州マウイ島で行われる、全米学生アメリカンフットボールオールスター戦です。有望選手が集まる大会だけにNFLの注目も大変高く、この大会をきっかけにプロ入りする選手も少なくありません。
 昨年度、初めて日本人の学生代表が参加して活躍しました。
 今年も昨年同様に関東・関西から3名ずつ選手が選抜され、フラ・ウィークの全ての行事に参加し、アメリカのカレッジフットボールのスター選手達と交流を深めました。
 関東大学リーグからは、早稲田大学QB波木健太郎選手とRB神聖選手、明治大学LB夏井啓輔選手の3名が派遣され、KAI(海)チームに加わりました。
 関西リーグからは、神戸大学OL藤原康一選手、同志社大学DB仲田亨選手、甲南大学LB山本吉孝選手の3名がAINA(山)チームに参加しました。
 原則として試合には出場しないことになっていましたが、当日は全員が試合に出場し、その模様はESPNで全米に中継されました。

フラウィーク・スケジュール KAI TEAM

1月27日

(月)
成田発、ハワイ・マウイ島着
午後2時:ロイヤル・ラハイナ・リゾート到着
午後5時:ウェルカムパーティー
午後10時:コーチ・選手顔合わせ、ミーティング

1月28日

(火)
午前9時:練習
練習後、身体計測(NFLスカウティング用)


午後:
マウイモールにてサイン会

カレッジフットボールのファンが
Tシャツ、ヘルメット、ペナントなどを持参し
選手にサインをもらうイベントです。

日本選手の漢字のサインは、
アメリカ人にも大好評でした。

午後6時30分:
ロイヤルラハイナリゾートにて
公式ルアウショウ


両チームの選手ひとりひとりが
ステージで紹介されます。

1月29日
(水)
午前10時30分:練習(NFLスカウティング開始)
午後6時:ホエラーズヴィレッジにてディナーパーティー
1月30日
(木)
午前8時15分:練習
午後1時:ビーチパーティー
1月31日
(金)
午前10時:練習
午後7時:キリスト教スポーツマン団体主催晩餐会

2月1日

(土)
午後1時:開場
午後4時:ゲームオープニングショー
午後4時15分:キックオフ
会場:ウォー・メモリアル・スタジアム(観衆:約15,000名)
  1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
KAI(海) 14 24
AINA(山) 17 27
午後7時30分:試合終了
午後8時30分:ポストゲームディナー

2月2日

(日)
午前:マウイ島出発、オアフ島着。アロハスタジアムへ移動
午後1時:2003NFLプロボウル観戦
2月3日
(月)
午前:オアフ島ホノルル発
2月4日
(火)
午後:成田着


波木 健太郎
関東大学リーグ戦MVP
QB・早稲田大学3年
 自分がHULA BOWLに参加してまず感じたことは、村井(早大C186cm125kg)は小さいということでした。
 ルームメイトが外国人だという不安や、選手とのコミュニケーションの問題など行く前から不安でいっぱいでした。
 しかし、いざ練習に参加して、パスを投げたりプレーコールを出したりして、そんな不安は解消されました。実際に全米大学オールスターに選ばれる程の選手達とプレイできたことは自分のフットボール人生において大変貴重な経験となりました。
 ルームメイトのクリフ・キングスバーグはテキサス工科大でパッシングQBとして今年すばらしい記録を打ち立てた選手で、プレーヤーとしてのみならず人として優れた人物でした。
 初めは緊張もあってかあまり会話をすることができませんでしたが、一緒にプレーをしていくうちにお互いがどんな選手か理解しあい、いろいろな話をする機会が多くなりました。部屋でも自分の分からないプレーを教えてくれたり、実際にノートに書き出して熱心にご指導(笑)してくれた事はいい思い出になっています。自分にとっては、クリフがコーチだったと言っても過言ではありません。
 もちろん、本当のヘッドコーチも素晴らしい人物で、プレーコールや練習方法など、たくさん学ぶことがありました。
 いい雰囲気で練習できたことは、コーチの力なくしてはならなかったでしょう。コーチのみならず、テーピングなどを巻いていただいたり、裏方のスタッフの方々にもとてもお世話になりました。
 本場のフットボールを体験できたことは、自分だけでなくチームにとってプラスになることでしょう。
 クリフをはじめたくさんの愉快でfunkyなチームメイトに恵まれ、素晴らしい環境の中でフットボールができて、本当に貴重な一週間を過ごすことができたと思います。


神 聖
クラッシュボウルMVP
RB・早稲田大学3年

 まず、最初に向こうの選手を見て感じたのは体格差。とにかくおおきくて、むきむきでした。

 実際練習に入ってしまえばそういうことは気にならないのですが、今度は運動能力の差を痛感しました。バネが違いすぎです。一歩でのカットや、縦への上がりは本当に驚きました。
 そういったものを自分の目で見られたのは本当にいい経験でした。
 練習中の雰囲気の良さにも驚きました。みんながみんなを認め合い、賞賛する。しかしいざプレイになった時の集中力は目を見張るものがあり、常にそういう雰囲気で練習は行われていました。
 ボウルゲームだったからかもしれませんが、全く経験したことのない雰囲気でした。
 運良く、自分は試合で4プレイ出場できて、そのうち1回ボウルをキャリーできました。
 ものすごい緊張で周りが全く見えず、納得のいくプレイはできなかったのですが、とにかくうれしかったです。

 アメリカの選手はみんな良い人たちばかりで、いきなり来た日本人を快く受け入れてくれました。
 今回のフラボウルに参加して、様々な経験をすることができました。その一つ一つが自分にとってかけがえのないものになりました。
 来年、もしまたチャンスがあったなら、是非もう一度行きたいです。


夏井 啓輔
シトロンボウルMVP
LB・明治大学4年

 私が今回のフラボウルの挑戦を通じて一番学んだ事は、『環境の重要性』でした。

 環境と言うのは不思議なもので、良いプレーを見ていると、初めは圧倒されていた自分が日が経つにつれて「自分も出来るのではないか」と思えるようになり、練習で自分をアピールしたり、当初、あんなにでかく見えたチームメイト達にも、目が慣れてきたのか、ビビらなくなりました。
 「人間の環境適応能力」を身を持って知った気がします。
 結局試合は、キックカバーしか出場できませんでしたが、本当に沢山の事を学びました。
 今まで私は、物事を行う前に、まず、『最高』と『最悪』の状況を想定して取り組んでいました。何が起きても、冷静に、迅速に対応できるように。
 しかし、これから社会人になるにあたり、未知の世界へ自分が挑戦する時、深いことを考えずに、まず、一歩踏み出してみる『勇気』、そして、自分を更に向上させる為には、あえて厳しい環境に身をおく事の重要性を今回の挑戦で学びました。



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